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赤ちゃんのためにパパとママに聞いてもらいたい話

目次

子育てしていると色々なことに悩み、疲れてしまいますよね。子どもがかわいくないと感じて私は母親失格なのかと考えてしまうこともあるかもしれません。

赤ちゃんのためにパパとママに聞いてもらいたい話

キレる子どもや少年犯罪に走る子どもは幼少時の育てられ方に問題があったという考え方が広く支持を集めるようになり、子どもの育て方の失敗の矛先はほとんど母親に向けられています。そして、育児に悩み、疲れきっている母親がたくさんいるのです。

この本は、Eテレ「すくすく子育て」のアドバイザーでチャレンジベビーの監修もされている榊原洋一先生が、そうした育児にまつわる様々問題をどう考えるべきかについて書いています。榊原洋一先生は小児発達を専門とする小児科医として病気の子どもと健康な子どもの発達をたくさん見てきて、現在の子育ての環境と母親のストレスを危惧しています。この本はこれから子育てをするママだけでなく、特にパパに読んでもらいたい本だと思います。

この本のあらすじ

プロローグで「赤ちゃんの泣き、笑いについて」について触れていますが、けっこうためになることが書かれていました。赤ちゃんが泣いている原因や夜泣きについてなどは大変気になることですよね。

この本では、母性本能とは?母性愛とは?といった事柄を、昔の子育てや動物の子育てなどと比較しながら詳しく説明しています。当たり前のように、母性本能や母性愛という言葉を使いますが、本当に母性本能や母性愛といったものはあるのでしょうか?

赤ちゃんはなぜ泣くのか、また母性愛について、本の内容をまとめてみました。

赤ちゃんの”泣き”の見分け方と克服法

<ポイント1>泣き方の種類で見分ける

赤ちゃんがなぜ泣いたか、その原因を理解し対処できるようになるといいですよね。この本では赤ちゃんの泣き方が説明されています。もちろん泣き方のパターンは子供によって千差万別なので、一概にこの泣き方が当てはまるとは限りません。ふだんから自分の子がどういう状況の時にどういう泣き方をするのか気をつけるといいでしょう。

・甲高く火がついたように爆発的に泣く

身体のどこかが痛かったり苦しかったりしたとき

・ピッチが低く、いろいろなパターンの泣きが入る

おなかが空いたとき

・強く泣いて息を吸い、また強く泣いて息を吸うといった具合に一定のパターンで繰り返し泣く

眠いとき

・心細そうに泣く

寂しいとき

<ポイント2>泣いたときのタイミングで見分ける

おっぱいを飲んだ直後に泣いたのなら空腹で泣いたわけではないと分かりますし、オムツを替えたばかりならオムツが原因ではないと推測できます。生後5〜6ヶ月を過ぎて眠る時間のリズムが決まってくれば、眠いときの泣きも分かるようになります。このように泣いたときのタイミングで、赤ちゃんの”泣き”の原因を見分けることができます。

<ポイント3>月齢によって見分ける

赤ちゃんの泣いている理由が分かるのはせいぜい半分ぐらいで、残り半分はなぜ泣いているのか専門家でも分からないことが多いそうです。例えば、生後1〜2ヶ月頃の運動泣き、3〜4ヶ月頃のたそがれ泣き、7ヶ月頃から始まる夜泣きなどは原因がよく分かっていません。

・生後1〜2ヶ月

運動泣き

特に理由もなく泣いている

・生後1〜6ヶ月

空腹

オムツが濡れた

・生後3〜4ヶ月

コリック、別名黄昏泣き

夕方になると泣く、原因は分かっておらず腹痛が原因かもしれないなどと言われている

・生後6ヶ月〜

人見知り泣き

後追い泣き

・生後7ヶ月〜

夜泣き

夜いったん寝ついた赤ちゃんが突然泣き出す。半分眠っているような状態で寝ぼけ眼で泣いている。あやしたり声をかけたりしてもあまり反応せずすぐには泣き止まない

・生後8ヶ月〜

かんしゃく泣き

赤ちゃんはどうして泣くのか?

泣く原因をチェック

泣いている原因を順番にチェックしていったら、なぜ泣いているか分かるかもしれません。

・オムツが濡れているから?

オムツのチェック。オムツが濡れても泣かない子もけっこう多いようです。

・おなかが空いているから?

授乳する。授乳したばかりでも、ほんの一口が足りなくて泣く子もいます。

・げっぷが出ていないから?

授乳の後げっぷが出ていないと、苦しくて泣くことがあります。なかなか出ないときはうつぶせに寝かせてみましょう。

・眠い時間なのかも?

手足が温かくなっていたら眠い証拠。そのうち寝てしまいますが、なかなか眠れないときは抱っこしたり歌を歌ったりしてあげましょう。

・のどが乾いているのかな?

飲み物を飲ませてみましょう。

・着せすぎで暑いから?

背中に手を入れて熱くなっていたり汗をかいているときは着せすぎ。服を一枚脱がせるか布団を薄いものにかえてください。

・環境が変わったせい?

里帰り出産で自宅に戻った直後や土日にお客さんが来た後など、環境が変化すると、落ち着くまでの間泣くことがあります。

・体調が悪いのかしら?

火がついたように尋常ではない泣き方をするときはどこか痛いのかもしれません。熱を測ったり痛い場所を探してみましょう。

・甘えたいから?さびしいから?

いろいろな原因をチェックしてどれにも当てはまらないときは甘えたいときです。抱っこしてあげてください。

泣いている赤ちゃんを泣きやます6つの処方箋

それでも泣き続ける場合、次の6つを試してみましょう。

・声をかける

・からだに触れる

抱く、ゆするなど

・何かを見せる

好きなおもちゃや景色を見せる

・おっぱいや乳首を吸わせる

・毛布などにくるんでやる

・壁にくっつけて寝かせる

首のすわったあかちゃんに行う。ふとんやベッドの端に壁を背にして寝かせると落ち着く

泣いている赤ちゃんを泣きやませる6つのコツ

抱いてもあやしてもなかなか泣き止まない場合、次のコツを試してみましょう。

・抱っこしてゆっくりゆする

乱暴にゆするのではなく、ゆっくりと静かにゆすってあげましょう。

・トントンはおしりのあたりを

抱っこするときに背中をトントンすると刺激が強すぎてかえって興奮させてしまいます。おしりのあたりをさすりましょう。

・目を見て歌を歌う

赤ちゃんの目を見ながら歌を歌ったりお話をしたりしましょう。

・ラックに入れる

電動ラックやバウンサーに入れてみましょう。

・環境を変える

外に出る、車に乗せるなど環境を変えるとたいてい泣き止みます。

・他人に抱いてもらう

大泣きしているときはいったんパパや別の人に抱いてもらい、それからママが泣き直すと泣き止むことがあります。

夜泣きの原因と対策

なんで赤ちゃんは夜泣きをするの?

生後6ヶ月を過ぎると赤ちゃんは夜泣きをするようになりますが、なぜ夜泣きするのか原因ははっきりしていません。夢を見て泣くのだろうという説や、筋肉痛や肩こりで泣くという説もあります。また生後6〜7ヶ月の時期は、夜まとめて睡眠をとるようになり昼夜の区別がはっきりしてくる頃なので、眠りのパターンとなにか関係があるのかもしれません。

夜泣きの対策は?

夜泣きの原因が分からないので根本的な解決法はありません。結局は対症療法的にいろいろやてみるしかありません。あれこれ試しているうちに気が付いたら夜泣きがなくなっていたというケースが多いようです。いずれにせよ夜泣きをするのはせいぜい2歳ぐらいまでなのでしんぼうするしかありません。

・寝る時間をかえてみる

寝る時間をずらしてみてはどうでしょうか。例えば夜9時頃寝て夜中の3時頃泣く赤ちゃんだったら、寝る時間を2時間遅くして11時に寝かせれば、泣くのが朝の5時頃にずれこむかもしれません。朝方ならそのまま起きてしまえばいいので、親の睡眠不足も多少は解消されるでしょう。

・吸収量の多い紙オムツにかえる

おしっこが何回も出てオムツがいっぱいになり、気持ちが悪くて目が覚めてしまう子もいます。夜はいつもより吸収量の多い紙オムツにかえてみましょう。

・布団をかけすぎない

かぜをひかせないようにと心配するあまり、布団をかけすぎていることがあります。布団の中に熱がこもると、暑くてぐっすり眠ることができません。赤ちゃんが赤い顔をして寝ていたり、汗をかいていたら、明らかに寝具のかけすぎです。布団を一枚減らすか薄い布団にかえてあげてください。

・湯ざましやおっぱいをあげる

夜泣きが始まったとき、とりあえずおっぱいや湯ざましをあげると、乳首を吸いながら寝てしまうことがあります。お腹が空いて泣いている可能性もあります。

・おしゃぶりを与える

おしゃぶりを吸いながら寝てしまうことがあります。

・背中をさすったり子守唄を歌う

赤ちゃんが落ち着くよう、背中がさすったり、おしりをトントンしながら、子守唄を歌って聞かせます。

・就眠儀式を取り入れる

なかなか泣き止まないときは、眠りにつくときの特定の習慣があればそれをさせてあげましょう。指しゃぶりはその代表です。

・完全に起こしてしまう

夜泣きは半覚醒状態で起きます。大人で言えば酔っ払ったような状態です。こういうときは何を言っても効果がないので、いろいろやっても泣き止まないときは一度完全に起こしてしまう手もあります。電気をつけて昼間と同じ状態にして目を覚ませ、しばらく遊んであげてそれからまた寝る態勢に持っていくわけです。なかなか泣き止まないときは、ドライブに連れて行く、外を散歩するなど、環境を変えるのもいいでしょう。寝付く前に時間がかかって大変ですが、夜泣きが続いてなかなか泣き止まないときなど、一度試してみる価値のある方法です。

夜泣きの予防法

・寝る直前にお風呂に入れる

寝る前にお風呂に入れると、疲れるのでぐっすり眠る子もいます。

・昼間、運動(はいはいや外遊び)をたくさんさせる

昼の間、ハイハイを十分させたり、外に連れて行き、外気浴をさせたりして十分運動すると、夜はよく眠る子が多いようです。

ベッドにおろすと大泣きして寝てくれない

抱いていないと眠ってくれないということは誰でも経験します。赤ちゃんは胸の中ではすやすや眠っているのに、ベッドにおろしたとたんに大泣きしてしまうのです。急にベッドにおろすと、赤ちゃんはびっくりして起きてしまうので、スムーズにベッドへ移行できるやり方を工夫しましょう。

・ベッドはあらかじめ温かく

冷たいベッド(布団)に触れると目が覚めてしまうので、ベッドはあらかじめ温めておきます。湯たんぽやペットボトルにお湯を入れたものを置いて温めておくと便利です。また、綿毛布をシーツの上に敷いておく手もあります。

・熟睡したらおろす

赤ちゃんのからだをお母さんから少し離してみます。ビクッとするときはまだだめです。ぐったりして動かなくなったら熟睡しています。

・胸と胸をつけておしりから着地

赤ちゃんの胸とお母さんの胸をつけたまま、赤ちゃんのおしりからベッドにおろします。おしり、背中、頭の順にベッドからおろしたあとも、しばらく胸を離さずに覆いかぶさっています。このとき、赤ちゃんの手にお母さんの手を重ね合わせるように握ってあげると、赤ちゃんは安心します。

・横に置いた毛布を素早くかぶせる

お母さんの胸を離すとき、横に置いた毛布を素早くかけます。冬で寒い時は、抱っこしているときから毛布でくるんでおき、温かい毛布をすかさずかけると、お母さんが離れたことに気付かれません。

・しばらく耳元で子守唄を歌う

赤ちゃんが寝ていてもすぐに離れず、しばらく耳元で子守唄を歌ったり頭をなでてあげます。

子供がかわいくない?

子育ての環境が整っている現代社会日本

日本の乳児死亡率や5歳以下の死亡率は世界一低く、子どもの健康状態は昔よりずっと良くなっています。また、機械化により掃除や洗濯は昔に比べてラクになり、インターネットなどの通信の発達で情報もすぐ入手できるようになりました。育児に関する心配事があれば、電話相談したりインターネットで情報を入手したりできます。また、子どもの急な病気も、日本中どこでも救急当番医が診てくれるような体勢が整備されています。子育ての環境は整っているように見えます。

自分の子どもをかわいくないと感じる母親は多い

しかし、子育てについて研究をしている大日向雅美先生が若い母親に行った調査では、子育てが楽しくないと感じたり、自分の子どもをかわいくないと感じたことのある母親は8割以上に及んでいたそうです。電話育児相談でも、「子供がかわいく感じられない。」「子供が泣いたりぐずったりしたときに手を上げたくなってしまう」などと訴える母親が増えています。核家族化、近所の付き合いの減少により、以前は近所や親戚が手伝っていた育児が、母親一人で頑張らなければなならなくなってしまったのです。

高層マンションでの子育ては大変

高層マンションでの子育てがストレスの高いものであることは、「高層集合住宅居住の母子の人間関係」というタイトルの学術論文で発表されています。高層住宅に暮らしてる母親は集団的な人間関係が希薄化していることや幼児の基本的生活習慣の獲得が母子の過剰密着傾向(母親が孤立して子育てを行う環境の中から生じる異常な状態)によって遅れる、高層マンションの母親は階下への音の漏出にビクビクして神経をすりへらしているなどと述べられています。

↑高層マンションに住むと流産率が上がる?

子供は母親が育てるべきなのか?

母性愛は幻想?

エリザベート・バダンテールは「母性という神話」という著書で、200年前のパリでは毎年生まれる2万1千人の子供のうち母親の手で育てられるのはたかだか千人で、貧しい家庭では孤児院に捨てたり安い乳母に預けるかして、ほとんどの子供は亡くなっていたということが述べられています。母親は母性本能によって母乳を与えて子育てをするという考えは200年前にはなかったのです。日本語訳では「母性という神話」ですが、原著のタイトルの直訳は『付け加えられた愛』という意味です。母性愛というのは、決して母親に本能的に備わっているものではなく、あとから付け加えられた感情だというものなのです。

↑宇多田ヒカルも読んでいる「母性という神話」

愛着関係は赤ちゃんと母親だけのもの?

「最近の子どもがキレやすくなったり、学級崩壊したり、いじめが起こるのも、幼少時の母子の愛着関係がうまく成立しなかったことが原因だ」「八歳まで母親は家にいるべきた。子どもは適切な環境で育てられないと、人間らしさの原因である前頭葉知能の発達が不十分になる」などと、乳児との愛着関係の対象が母親に限定されて使われています。しかし、アインワースは、愛着関係の強さを決定するのは乳児とその特定の大人との間にかわされるコミュニケーションの量であることを示しています。それは母親ではなくて父親でもかまいません。保育所で育てられた子どもたちの発達の経過は、母親の手で育てられた子どもと、運動・知能・情緒どれをとっても差がなかったことが分かっています。すなわち、母子の愛着関係は母親の専売特許ではないのです。

まとめ

筆者の言いたいこと

現代社会のように母親だけが孤立して子育てを行うと、母親は子育ての不安が大きいし、母と子どもだけの密室育児は虐待の心配も出てきます。地域で複数の人が子育てに関わることによって、母親は孤立から解放され、複数の人の経験と知恵が子どもに文化として伝承されていきます。父親を始め、共同で子育てをするということが大事です。

この本の評価

オススメ度:★★★☆☆
読みやすさ:★★★☆☆
知識量  :★★★☆☆

妊娠中や育児に疲れたときに読むとよいと思います。そんなに頑張らなくていいんだ、誰かに頼ろうと思えば、今後の子育てが楽しめるかもしれません。

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